黄砂 とは？

黄砂(こうさ、おうさ、Asian Dust)は、中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、
ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの
高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、
大気中に浮遊あるいは降下する現象です。

黄砂は、砂塵の元になる土壌の状態、砂塵を運ぶ気流など、大地や大気の
条件が整うと発生すると考えられていて、春はそういった条件が整いやすい
ことから頻繁に発生し、比較的遠くまで運ばれる傾向にあるといわれています。

黄砂は国境を跨ぐ範囲で被害を発生させ、発生地に近づくほど被害は大きくなり、
田畑や人家が砂に覆われたり、周囲の見通しや日照を悪化させたり、交通に
障害を与えたり、人間や家畜などが砂塵を吸い込んで健康に悪影響を与えたり
するなど、多数の被害が発生しています。

海を隔てた日本でも、黄砂の季節になると建物や野外の洗濯物・車などが汚れる
といった被害が報告されていて、東アジア全体での経済的損失は、日本円に換算
して毎年7000億円を超えるとされます。

一方、黄砂が自然環境の中で重要な役割を果たしていることも指摘されていて、
飛来する黄砂は、洪水による氾濫堆積物や火砕物と並ぶ堆積物の1種であり、
土地を肥やす効果があります。

また黄砂には生物の生育に必要なミネラル分も含まれており、陸域だけではなく
海域でもプランクトンの生育などに寄与しています。

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